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睡眠時無呼吸症候群(SAS)と糖尿病

最新研究から見るSASと糖尿病の関係

海外の論文の解説

Prevalence of obstructive sleep apnoea in men with type 2 diabetes
S D West, D J Nicoll, J R Stradling
【文献概要】
1682名のII型糖尿病を伴う男性を対象にOSAの有病率を調査した。結果、質問票による回答でOSAのリスクが高い群は528名(56%)、低い群は362名(39%)、既にOSAと認識している人は39名(4%)であった。次に、パルスオキシメータによる診断を行ったところ、OSAリスクが高い群は38名(31%)、低い群は15名(13%)であり、最終的にCPAPを導入したのは17名であった。II型糖尿病の男性におけるOSAの有病率は高いが、ほとんどが未診断であった。
掲載雑誌名:Thorax 61(11)945-950
Differences in polysomnography predictors for hypertension and impaired glucose tolerance
Loreto Sulit et al
【文献概要】
Cleveland Family Study(SASプロジェクト)に参加した394名を対象にSPG、血圧測定、経口ブドウ糖負荷試験を行い、PSGの指標間の関係と年齢・性別・人種・体型一致の各指標のオッズ比を評価した。結果、高血圧31%、耐糖能障害32%が存在し、17%は両者を伴っていた。高血圧のオッズ比は、覚醒指数が5上昇するごとに約20%増加した。また、耐糖能障害はSpO2<90%時間(2%以上)と強い相関があった。
掲載雑誌名:Sleep 29(6)777-783
Obstructive sleep apnoea syndrome, plasma adiponectin levels, and insulin resistance
Shinya Makino et al
【文献概要】
OSAS患者213例(27~80歳)を対象に、血漿中アディポネクチン濃度、インスリン抵抗性およびOSAS重症度の関連を検討した。OSAS重症患者ではインスリン抵抗性が強く、HOMA-IRは肥満だけでなく無呼吸とも関連性が認められた。血漿中アディポネクチン濃度はOSAS重症度による差がなく、肥満と密接に関連した。これらのことから、OSAS患者のインスリン抵抗性改善には肥満治療が重要であることが示唆された。
掲載雑誌名:Clinical Endocrinology 64(1)12-19
The effect of continuous positive airway pressure on glucose control in diabetic patients with severe obstructive sleep apnea
Hesham A. Hassaballa et al
【文献概要】
OSASは耐糖能及びインスリン抵抗と独立して関連があり、最近の報告ではCPAPによりインスリン抵抗が改善すると報告されている。OSASとII型糖尿病のある患者38例を対象にCPAP中のHbA1cの変化を後ろ向きに調査した。CPAP実施中は糖尿病への薬物療法は変更せずに継続した。HbA1c値は、CPAP治療前7.8±1.4%であったが、134±119日間治療後、7.3±1.3%に低下した(p<0.001)。2型糖尿病と重症OSAを有する患者において、CPAP治療は、臨床的に有意なHbA1c低下をきたす。
掲載雑誌名:Sleep and Breathing 9(4)176-180
Type 2 diabetes, glycemic control, and continuous positive airway pressure in obstructive sleep apnea
Ambika R. Babu
【文献概要】
睡眠呼吸障害(SDB)を併発する2型糖尿病患者25例を対象に、血糖コントロールに対するCPAPの効果を評価した。CPAP前後に組織内のグルコース濃度、ヘモグロビンA1c濃度を測定した。CPAPにより食後1時間のグルコース濃度およびヘモグロビンA1c濃度に有意な減少が認められた。CPAPはSDB併発糖尿病患者の重要な治療法であることが示唆された。
掲載雑誌名:ARCH INTERN MED 165(4)447-452
Association of sleep apnea and type II diabetes:A Population-based Study
Kevin J. Reichmuth
【文献概要】
睡眠呼吸障害(SDB)患者におけるII型糖尿病の割合と発生率、両者間の関係を1387名の住民を対象に横断的及び縦断的に分析を行った。結果、SDBの重症度増加に伴い、糖尿病の割合も増加。AHI>15は14.7%の糖尿病が存在したのに対し、AHI<5は2.8%であった。また、4年以内の糖尿病発症に関してAHI≧15と35では、年齢・性別・体格一致で比べるとオッズ比が1.62であった。糖尿病はSDBに多く存在し、独立した危険因子であったが、SDBが糖尿病の原因となっているか明らかでない
掲載雑誌名:Am J Respir Crit Care Med 172(12)1590-1595
Sleep-disordered breathing, glucose intolerance, and insulin resistance: the Sleep Heart Health Study
Naresh M. Punjabi
【文献概要】
地域住民2656名において、睡眠呼吸障害が耐糖能異常、インスリン抵抗性と関連するか調査したSHHSスタディ。結果、2型糖尿病において、年齢・性別・喫煙・BMIといった交絡変数と関係なく、睡眠呼吸障害が耐糖能異常、インスリン抵抗性と相関していることが示された。
掲載雑誌名:AM J EPIDEMIOL 160(6)521-530
Diabetes and sleep disturbances: Findings from the sleep heart health study
Helain E. Resnick
【文献概要】
糖尿病が睡眠呼吸障害(SDB)と独立して関連し、特に中枢性の睡眠異常と関連する、という仮説を評価した。SDBを有する割合(15<AHI)は、非糖尿病患者では15.6%だったが糖尿病患者では23.8%と有意に高率だった。また糖尿病群では、周期性呼吸を有する患者のオッズ比が1.80倍と有意に高値であった。糖尿病が高率にSDBを合併することから、糖尿病が何らかの中枢性呼吸調節障害の原因となっている可能性が示唆された。
掲載雑誌名:Diabetes Care 26(3)702-709
Obstructive sleep apnea is independently associated with insulin resistance
Mary S. M. IP
【文献概要】
過去に糖尿病と診断されたことがない270例に、SASの疑いでPSG検査を施行し、睡眠呼吸障害とインスリン抵抗性の関係を調査した。SASと診断された群は、BMI、年齢、ウェスト/ヒップ比、インスリン抵抗性指数HOMA-IR、拡張期血圧がいずれも有意に高かった。肥満だけでなく、SASの重症度を示すAHIとSaO2最低値もインスリン抵抗性と相関しており、OSAがインスリン抵抗性と独立相関することが示された。
掲載雑誌名:Am J Respir Crit Care Med 165 670-676
Sleep-disordered breathing and insulin resistance in middle-aged and overweigh men
Naresh M. Punjabi
【文献概要】
150人の健常人にPSGと糖負荷試験を行い、OSASの重症度と血中インスリン値の関係について検討した。OSA重症度はAHIで4群に分類した。AHIの増加は肥満や年齢とは独立してインスリン抵抗性の悪化に関連していた。また最低SaO2が4%低下すると耐糖能が1.99倍悪化した。SASが重症化するほどインスリン抵抗性を介して耐糖能異常を起こしてくると考えられた。
掲載雑誌名:Am J Respir Crit Care Med 165 677-682
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